トゥモローランドの未来
東京ディズニーランド開業以来、41年という長い間ゲストを宇宙の旅へと連れていってくれたスペースマウンテンがクローズとなりました。
ビッグサンダーマウンテン、スプラッシュマウンテンとともに「三大マウンテン」なんて呼ばれているほど、シンデレラ城に並ぶシンボルのひとつでもありました。
絶叫系がそんなに得意ではない私は1度しか体験したことがないのですが、トゥモローランドに入ればどーんとそこにある「山」といった印象です。
夜になれば鮮やかにライトアップされ、BGMも相まってテーマランドのイメージをつくっていた大きな存在でした。
そんなスペースマウンテンのクローズとリニューアル(建て替え)、新しいトゥモローランドのコンセプトアートが発表になった時、大興奮したことを覚えています。
単純に楽しみ〜!というよりは、そのコンセプトアートに歴史が詰まっているような気がしたからです。
ではここから、ただのオタクによる大興奮話を。笑
トゥモローランド自体が新陳代謝高めのテーマランドですよね。
ミート・ザ・ワールド、ビジョナリアム(大好きだった…)、キャプテンEO、ミクロアドベンチャー、スカイウェイ、スタージェット、グランドサーキット・レースウェイ、などなど
かなり多くのアトラクションが運営され、クローズされてきました。
それは“未来”をテーマに背負っているからだろうなと思います。
これまでのスペースマウンテンは建物の頂点に向かってスッと伸びる直線のラインと、建物から空に向かってまっすぐ伸びる装飾が印象的でした。
ディズニーランド開業当時(1983年)は“直線的なデザインは未来っぽい”という価値観が世の中にあったのでしょう。
しかし、新しいトゥモローランドのコンセプトアートは大きく異なります。
スペースマウンテン以外にも、すべてが曲線的なデザインに変わっているのです。
直線的なデザインの未来感は時代の流れとともにいつの間にかレトロフューチャーになっていて、いつしか私たちは曲線的なデザインに未来感を抱くようになっていたのですよね。
恐らく誰もが知らないうちに(潜在的には感じていても)転換期に気付かないままそうなっていたと思うんです。
それが、あの新しいコンセプトアートがバン!と提示されたことによってハッキリと気付かされたといいますか。
これは個人的にはかなりの衝撃でした。
ここで2020年にオープンした「ベイマックスのハッピーライド」を思い浮かべてみてください。
あのアトラクションの屋根や看板も、わかりやすい曲線的デザインです。
人々のなかで更新された”未来感”が、既にパークに存在していますね。
エリアの拡張や再開発、アトラクションのリニューアルなどは他のテーマランドやテーマポートでも行われてきましたが、“未来”を背負ったトゥモローランドが一番大きく変わっていく。
“未来”は誰にもわからないからこそ、一番にイマジネーションがはたらくものだから。
ウォルトの言葉「ディズニーランドは永遠に完成しない。この世界に想像力が残っている限り、成長し続ける」というのは、こういうことなんだなぁとしみじみ感じたのでした。
これだからパーク好きはやめらんないわぁ