ちしまのにわ

かんそうノートかんそうノート

2024.01.18 Thu

バクチク現象-2023-

『不安だったよね?』


ヒデのこの一言は、まるで小さい子供を前にして膝をつき、顔を覗き込むようにして出た一言のように、この日一番優しい言葉だったのではないかなと思います。


その日が近付くにつれ、どんどん怖くなりました。
何が怖かったのかはわかりません。
“居ない”ことを全身で浴びることの怖さなのか
ある程度感情に蓋をして抑え込んだものの反動がくることへの怖さなのか
なにかこの先に対する発表がなされるかもという未来への怖さなのか
もしくは、そのすべてなのか。
分からなくても、ただただ心がざわざわと波立つことは感じていました。


私にはずっと“いつか生で聞いてみたい曲”リストがぼんやりと頭に存在していました。
そのなかの代表格が「疾風のブレードランナー」。
初めてこの曲を知った時は、その美しさと、決して押し付けがましくない寄り添うようなポジティブさに感激したものです。


「感じるか 愛しいものの気配を
 そうだろう なんて素敵な光景」
「忘れるな 世界は輝いている」
「今夜 お前に届けよう 宝物だ 約束だ」


今井さんの書く詞には、“実はみんな遠くに見えているけどまだよく理解していない希望の光を、ちょっと走ってジャンプして掴んで持ってきて、「ほら」って見せてくれる”、そんなイメージが私にはあります。
この曲にもまさにそういう雰囲気を感じていて、どんな時代にも目を背けたくなるようなこと、怒り狂いそうになること、いろいろあるとわかっていても「忘れるな 世界は輝いている」。
そう言い切れる強さと、そう思っていていいんだなと思えるある種の安心。
ぜひいつか、どこかの会場で自分の耳で聞きたい、そんな曲でした。


しかしながらまぁ不思議なもので、私のタイミングが悪く…
2DAYSのうち、自分がいけない方にセトリ入りしていたりしてとうとう生で聞くことは叶いませんでした。
10月24日に「大切なお知らせ」を見た後で、あぁ、もう叶わぬ願いになってしまったと静かに思いました。


そして12月29日、いつもの「THEME OF B-T」が流れ、メンバーがステージに現れただけで結構な量の涙が。
スクリーンに大映しになった「バクチク現象-2023-」のロゴと、その下には見慣れたあっちゃんのシルエット。
次の瞬間流れ始めたイントロ、恐らくかかりはじめて1秒もしないうちにそれがどの曲だか理解しました。


「疾風のブレードランナー」


まさに、それでした。


それまで、やれ仕事だ、やれ子供の学校のアレコレだ、目の前にやることがあってそれらの対応をするため、自分自身の感情の昂りは幾度となく蓋をしてきました。
大体どんなことがあっても、目の前になにかやることがあるならば、一瞬で蓋をして何事もなかったかのようにすることが得意です。
そうして少しだけ蓋を開けて「悲しい。寂しい。嫌だ。嘘だ」といった気持ちを小出しにしたり、時には蓋が飛んで行って突然顔を出したり、そんな2ヶ月を過ごしていました。まさに、仮面の下で泣き笑っている2ヶ月でした。
それが、この1秒にも満たないこの瞬間に、すべてが自分の背後から押し寄せて溢れ出た。
ほんとうに一瞬だったと思います。
何も考える間もなく、それがどの曲であるかを理解して次の瞬間には両目から涙がボロボロと零れて、立っていられなくなりました。
そのときどんな感情だったか?それは今でも言語化できていません。


ただその瞬間、「今なんだ」と思いました。


この「今なんだ」は「どうして!?」という拒否感ではなくて、「あぁ、そうか、今なんだ」という何かを受け入れたような感覚です。


ずっと生で聞きたい、自分の耳で聞きたい、満員の会場のなかで聞きたい、
そう願い続けていた曲を聞くことができた、
その瞬間が「今なんだ」と思いました。
今井さんが言うように「人生は容赦ねぇなぁ」です。
まるでこの時のためにとっておいたかのように、変な縁を感じてしまうほどの感覚でした。


今なんだ
今なの?
どうして願い続けてきた瞬間が “今” なんだろう
遅かったよ、悲しいよ
でも、この曲を選んでくれたこと、私は嬉しいよ


立てなくなって、ボロボロ泣いて、多分声をあげて泣いてたんじゃないかな
でもこの瞬間をちゃんと見るために来たんだから、と思って立ち上がろうとしたけどやっぱりダメで、また少し泣いて、イントロが終わる頃に振り切って立ち上がりました


本当はこの場所で歌うあなたの声で聞きたかったよ


公演中何度もあった大好きなスクリーン5分割、真ん中にはいつものようにあっちゃんが映っていて、それを見ていると普通にいるような感覚になりました。
曲によっては映像は流さなかったり、4人だったりとスタイルはさまざま。
演出面でいうと、とりわけ「夢魔」の演出は息を飲むほどの光景でした。
これまでBUCK-TICKのライブでは見たことないほどの大量のスモークがたかれていて、客席に向かっても容赦無くもくもくと出続けていて。
そしてステージセンターでは床から風が吹き上がり、その風でスモークが立ち昇る。
黄泉から這い上がってきた、とか 魔界から降臨した、とか言われそうな雰囲気。
あの演出は見事でした。


メンバー4人からの言葉のあと、「LOVE ME」が始まろうとしていたにも関わらず、アニイが思いっきり間違えて別の曲を叩き始めたことからあっちゃんの歌と合わせられなくなるというまさかのハプニングも起こりました。
仕切り直して、ではもう一度…とできれば合わせられていたのかもしれませんが、アニイはそのまま自分のタイミングでやり直し、続行したのです。
いつまで経っても歌は流れないし、メンバーも「あれ?」という雰囲気、今井さんに至ってはもう吹き出してしまっていて、ファンも頑張って歌ったりもしたけど結局あっちゃんは一度も歌えずに終わりました。
なんでしょう…それが、とっても楽しかったのです。
「あぁ、バンドだなぁ〜」とニコニコしてしまうというか。
あの瞬間、悲しさや寂しさがいくらか和らいで、のこされた者たち(メンバー、スタッフさん、ファン)でなんとか試行錯誤して共に笑っている感覚。 それがとても救いになりました。
アニイが言う「第2期 BUCK-TICK」の始まりを「バクチク現象-2023-」とするならば、私はこの日のことを忘れたくないしそのまま持っておきたいので、パッケージ化することがあるなら何もカットせずそのまま収録してほしいなぁ。


あの日から、ファンは今井さんの言葉によって支えられてきたように思います。
「さぁ、始めようぜ。BUCK-TICKだ」
「泣いても、号泣してもいいけど、苦しまないでください」

武道館で聞いたこの言葉は、紛れもなく「疾風のブレードランナー」で「世界は 輝いている」と書いた今井さんの強さと優しさですよね。
そして個人的な見解を申し上げますと、今回のスタイルをずっと、とは思っていないのではないかなと捉えています。
ここから今後のスタイルを確立させるための模索が始まるのだと。
これまでを大切にしながら、これまでに囚われることなく、あっちゃんを含めた5人で進んでいくのでしょうね。
居るからこう、居ないからこう、と極端に振れるようなことなく自由に。それはこれまでと変わりないのではないでしょうか。


2024年はレコーディングをするとのことでした。
ドキュメンタリー映画の公開もありますね。
3月7日には異空ツアーのBlu-ray/DVDも発売になります。
12月29日には武道館公演もあります。
辛くて悲しくて寂しくてまだまだグラッとくる日が続くのでしょうけど、それでも“次に向かう楽しみ”があるのがBUCK-TICKだなぁ。


全然早くなくていいです、無理はしてほしくないです、
けれどまた4人が、ステージ上で楽しそうに演奏してわちゃわちゃしている様子を見られたら嬉しいなと、いちファンは願っています。


ところで!!(ここからはおまけのグッズ話です)
これを読んでくださっているBUCK-TICKファンのみなさん、グッズはなにを購入されましたか?


私は
・ランダムトレカキーホルダー×9
・ミニチュアトランポ(ツアトラミニカー)
・ミニポーチ(ピック3枚付き)
・ステッカーシート
・アニイプロデュース BUCK-TICKプレート(通称:アニイの鉄)※アルミニウム
・あっちゃんプロデュース ブランケット
を購入しました!!


一部事前予約をしていたのですが、トレカキーホルダーを5つ購入して1回で揃ったという方がちらほらいらっしゃいましたよね。
期待、するじゃないですか。


見事バラッバラでした!!!笑


うん、だよね、そりゃそう!!!
内訳は、2今井・2星野・1樋口です。
大変だ、あっちゃんとアニイがいない!!あっちゃん連れて帰らなきゃ!!!
Twitter(意地でもXと呼ばない奴)で交換募集をしまして、1星野→1アニイになりました。
しかしやはり今回ばかりはみんなあっちゃん欲しいよね…他のツイート(意地でもポストと呼ばない奴)を見てもトレード成立率が低めのようで…
そのため、現地で4つ追加購入!!
先ほどトレードしていただいたけど、アニイ出たら2つになるな、でもそれもいいな、などと思いながら開封。


結果、


3星野・1樋口


なんか英彦に愛されてる!!!!!!!!!!
トータル5星野出してる!!!!!!!!!

(もうなんか面白くなってる)


なかば諦めモードでしたが、英彦ファンのフォロワーさんがご連絡くださり、なんとあっちゃんが被って英彦が出なかったとのこと!
というわけで奇跡的にトレードが成立し、無事に5人揃えて帰ることができました…
私の手元には4星野居たので、2星野をお渡しさせていただきました。


帰宅後、噂のあっちゃんブランケットを開封してびっくり。
いや、大きいよと聞いてはいましたが本当に大きかった。
ぜひ見てください。


でっっっっっっか!!
顔が!顔がいいよ!!!
わらってる!!カワイイネ!!!!!!!
にゃーんなのか、グータッチなのか、(ブランケットを)かけてるのか、そんな手もカワイイネ!!!!!!!


しかし我が家には猫が2匹おりますゆえ、爪が引っかかってピーッてなりかねないため、使うことができません…


でも使いたいじゃん?


追加購入シタヨ!!!!!(他にランチトートとビッグTも…)


11月から武道館追いグッズまで、トータル7万くらい使ってません???
いいのいいの、(オタクとしての)必要経費ですよ。
生活必需品だもんね!!仕方ないよね!!!!!!!


一覧へもどる

NEXT 

#ライブ・イベント のほかの記事

2019.01.05 Sat
ARASHI Anniversary Tour 5×20
2015.12.28 Mon
Disney’s Halloween