ちしまのにわ

かんそうノートかんそうノート

2021.03.23 Tue

弱井トト子はかっこいい

テレビアニメ「おそ松さん」を第1期からず〜っと見ている。
どのキャラクターも個性の強さが凄まじく、そのなかでも今回はそのかっこよさにしびれたトト子ちゃんについて。

■トト子ちゃんには嘘がない

おそ松さんのヒロインであるトト子ちゃんには、嘘がない。
「かわいい」と言われれば「うん(知ってる)」と返すし、包み隠さず「チヤホヤされたい」と言うし、自分は決して6つ子を選ばないが6つ子には自分を一番に見て欲しいと思っている。
行動にも嘘がなく、石油王と結婚して玉の輿に乗ろうとするし、馬主をとっ捕まえようとするし、クリスマスにリア充たちを爆破してまわる。
こうして羅列するとひどい有様に感じるけれど、嫌味がなく日常的にこれらを実行しているのだからいっそ清々しい。

■自由過ぎるトトデレラ

おそ松さんではパラレル的なネタがたくさんあるが、今回感動すら覚えたのは「トトデレラ」。
その名の通り、トト子ちゃんがシンデレラになるストーリーで、もちろん「おそ松さん」なのだから素直な進行は一切しない。
トトデレラは意地悪な姉や継母に向かって「ブスだなぁ」と呟き、洗濯を頼まれれば「いくら綺麗に洗っても、これを着るのがお前たちみたいなブスだと思うと(やる気が出ない)」と本当に困ったようにため息をつく。
舞踏会の案内が継母のもとに届き、例の如く「お前は留守番よ!」と言われるが「行きたかったかも。ま、いっか」と特にそこまで気にも留めない。
フェアリーゴッドマザー(のような十四松)がお決まりのように「舞踏会に行きたいんだね?」と聞いても「いや、そんなには」と興味を示さない。
聞く耳持たずのフェアリーゴッドマザー(のような十四松)はトトデレラに魔法をかけてドレスを着せるものの「別パターンいけます?」。
この「別パターンいけます?」が妙にツボで、クリエイティブ系の仕事をしている方なら尚更だと思う。
とにかく自由で自分の意思にまっすぐなトトデレラ。

■そして王子のもとへ

城に到着し、集まった女子たちをみてひとこと「ブスがいっぱい!!」と勝利を確信したトトデレラ。
私はそんなトトデレラが見せたにゃー王子とのやりとりに終始しびれっぱなしになってしまった。
まず、女子たちにいびられているところを助けられたトトデレラ。王子に「大丈夫?」と手を差し伸べられるも「なにが?」と返し、続けて「お名前は?」と尋ねられるも「そちらは?」と返して名乗らず、“まず自分から名乗れ”をナチュラルに提示する。かっこいい。
王子に選ばれたとき、「相手が喜んで当たり前みたいな感じが引っかかる」と、自分主体で進める王子の傲慢さに苦言を呈する。かっこいい。
王子が女子たちを「ブス」呼ばわりすると、あれだけ散々ブスブス言っていたにもかかわらず「お前がブスって言うのは違う。お前が呼んだからみんな来てくれたのに、ブス呼ばわり?」と、好意を持って集まった女子たちを馬鹿にする姿勢に怒る。人情。かっこいい。
極め付けは「勘違いしないで、あなたは選ばれる側でーーーす」と一蹴。かっこいい。

その後、どれだけの王子なのか財力を提示させてそれらをすべて持ち去り(このあたりは安定のクズっぷり)、「このカネで新しい国をつくる!!」と言い残す。

■トト子ちゃんには芯がある

トト子ちゃんは決して忖度しない。自分がかわいいのは絶対。揺るがない事実。
そして必ず自分で意思決定をし、それらを貫く。自分を信じて突き進む。
「自分を信じよう!」と心に決めているのではなく、ナチュラルに信じている。それが自然であり、当たり前。
ものすごいしっかりとした芯の持ち主。こんなヒロイン、かっこいい以外にない。

 PREV

一覧へもどる

NEXT 

#そのほか のほかの記事

2024.01.09 Tue
舞浜旅レポ -マーベルスペシャルルーム-
2021.08.06 Fri
儚い羊たちの祝宴