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かんそうノートかんそうノート

2022.09.07 Wed

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を観劇してまいりました。
高校生のころに映画が公開されて原作も飛ぶように売れ、まさに大ブームを見てきた世代です。
8作すべて鑑賞しましたし、ファンタスティックビーストも鑑賞していますし、USJのウィザーディング・ワールドへも遊びに行きました。(原作は未読)

舞台作品が日本でも上演されると聞き注目していて、ハリー役に藤原竜也さん・石丸幹二さん・向井理さん、デルフィー役に元AKBの岩田華怜ちゃんが出演されると聞いたときから必ず見に行こうと決めていました。
藤原竜也さんは「バトルロワイアル」を見た時からそのお芝居が好きでテレビドラマや映画を何作も見ており、岩田華怜ちゃんはNONAMEというユニットでまゆゆと一緒にセンターを務めていてそのパフォーマンスに一目惚れし、劇場公演にも足を運んだことがあります。
チケットの一般発売日、かなりの数あるキャストスケジュールとにらめっこしながらメモをとり、藤原ポッター・岩田デルフィーの公演チケットをもぎ取ることに成功!!

で、観劇してきたわけですが。

何から話したらいい???

というほどの、濃密な時間でした。

<!>ここからネタバレありかんそうを書いて参りますので、ご注意ください。


■随所にあらわれる「魔法」

ハリー・ポッターといえば魔法。木製の杖をふり、呪文を唱える姿は誰しも一度は見たことがあると思います。
その「魔法」が舞台でどのように再現されるのかが一番の注目ポイント。
これまで見てきた舞台作品やミュージカルでは、魔法が”呪文+光と音”で表現されることが定石でしたが、今作は杖が光るわ炎が出るわ、書類は勝手に片付きタイムターナーが浮くわ、ディメンターさえあのまま現れるわで常に驚きの連続。
アクトシアターがハリー・ポッター仕様に大工事されただけあって劇場内全体を使った演出が本当に魔法のようで、ひとつひとつに驚きながらも、え!まだあるの!こんなこともしちゃうの!と、観客を飽きさせることなく存分にその世界へと引き摺り込んでくれました。

そしてそれらの魔法は特攻だけでなく、常に役者が動いて実現していくようなイメージ。
裏ではどんな動きをしているのか、想像を絶するスピード感…。
魔法省への入口?になっている赤い電話ボックス、あれにはどうやって吸われていくのか気になって仕方ありませんでした。
ハーマイオニーの執務室に忍び込んだ変身後のスコーピウス(変身後:ハリー)とデルフィー(変身後:ハーマイオニー)に、時間稼ぎをしろと言われたアルバス(変身後:ロン)。どうしたものかとあたふたしていると先ほど執務室の扉に入っていったばかりの藤原竜也さんと中別府葵さんが本物ハリーと本物ハーマイオニーとして、今度は舞台袖から歩いてくる…
いや、スピード感!!!どんなスピード感で動いてらっしゃるのか!!!
セリフ、上演時間など考えただけでも大作であるのに、それに加えて運動量も想像以上なので舞台上が常に莫大なエネルギーで溢れていました。
こちらの脳がどんどん活性化されていくような、そんな作品だと思います。


■劇場全体を使ったダイナミックな効果

ハリー・ポッター仕様になったアクトシアター、想像をはるかに超えるダイナミックな効果を生み出していました。
アルバスとスコーピウスがタイムリープし、三大魔法学校対抗試合の第2試合でセドリックの邪魔をしたシーン。
湖から2人が上がってくる際、ステージ前方が開いてその箇所に張ってあった水からザバッと出てくるなんて思いもしませんでした。
そしてデルフィーが壁に書いたものが一斉に現れるシーン。ステージ周辺だけかなと思いきや会場全体、一面文字だらけ。
さすが専用劇場となっただけあって、その使い方がダイナミックかつ秀逸。
どれだけ舞台作品を観劇していても、これだけのものはなかなか味わえないでしょう。
何度見てもその迫力には驚かされると思います。


■ストーリーの裏に感じ取ることができるもの

前述のとおり「えっ!どうやったの!」と驚きが止まらないわけですが、仕掛けと驚きだけで観客を引っ張っていくようなものではありませんでした。
今作ではハリー、ハーマイオニー、ロンなどおなじみのキャラクターが登場するのはもちろん、今回はその子供達にスポットが当たっています。
ハリーの息子アルバス、ハーマイオニーとロンの娘ローズ、そしてドラコの息子スコーピウス。
この3人がホグワーツに入学したところから始まり、各々の出自における葛藤から物語が大きく展開します。
ハリーやホグワーツの先生たち、闇の勢力も深く関わってくるため、映画8作品を根元の部分で感じ取ることができる内容でした。
映画を通してハリーたちの行く末を見守ってきたからこそ共感もするし、「それは違うよハリー!」と叱咤激励をもしたくなる。
タイムターナーを使うことによって現実では亡くなったあの人やこの人も出てくるため、切ない気持ちになった観客も多かったのではないかなと思います。
三大魔法学校対抗試合の迷路のシーン、セドリックをあのまま進ませたくないけれど、進ませなければ史実がめちゃくちゃになってしまう…
となると、恐らくアルバスもスコーピウスも観客も、せめてその姿を目に焼き付けておこうと思ったはずです。
アルバスがセドリックへかけた言葉、「お父さんはあなたを愛している」が沁みますね…
このようにハリーの子供たちを主軸にしたものでありながら、映画8作品がしっかりと根を張って存在している、そんな風に感じさせてくれるストーリーでした。


■嘆きのマートルが嘆きのマートル

嘆きのマートルは、あの美山加恋ちゃんが演じられていました。
私の世代はもう、彼女は”凛ちゃん”のイメージです。
しかしプリキュアで声優を務めたりするなど、幅広くご活躍されているのは知っていたので舞台で拝見することもとても楽しみにしていました。
そして嘆きのマートル登場シーン、恐らく誰もがひと目見て度肝抜かれたであろうと思います。

まんま!!!!!マートル!!!まんま!!!!!

そうなんですよ、本当に”そのまま”なのです。
あのスピード感ある独特な話し方や声、動き、本当にマートルそのもの。
公演プログラムによれば、「マートルは他のキャラクターと違って年を重ねていないから、映画でのイメージに出来るだけ近付けたい」と考えたのだそう。
あまりのそのままっぷりに『なぜSNSで大バズりしてないの!!!』と怒りにも似た感情がわくほど。
不安定な場所でくるくると動きながら声色、表情も変えていく、そんな彼女のお芝居に是非度肝抜かれにいっていただきたいです。


■デルフィー

デルフィーは今作のキーパーソン。明かされていないことが多く、詳しいことは分からずの状態で観劇。
華怜ちゃんが長いオーディションを経てどんな役をいただいたのかな…!!とわくわくしていました。
が、当日急遽キャストが変更に…。
完全にコロナの余波です。出演者の方が体調を崩されたので、同じ公演に出演していたキャストを入れ替えたということだと思います。
そんなわけで、その日のデルフィー役は宝意紗友莉さんに変更となりました。
宝意デルフィーはその目的が明らかになっていく段階から一気に狂気と欲望を解放していくさまが圧巻!
だからこそ、やっぱり岩田デルフィーも見たい!と強く思ったのでした。
ふたりのデルフィーがどう違うのか、とっても気になります。
噂によると、岩田デルフィーは少女っぽさがあるとか…?回を重ねるごとに凄みが増しているとか…?
あぁもう見たすぎる…!!!
あの大きな舞台で輝く華怜ちゃん、見たすぎる…!!!


■藤原ポッターを浴びる

藤原竜也さんのお芝居を生で浴びることができる…!という興奮と期待感、凄まじかったです。
動きをつける、というより感情によって体が動いているような印象だったのでそれを生で拝めるなんて…!と。
そんな藤原さん、最初の一言目からフルスロットル。声の張り方が凄い。
『いつも見ていたあの藤原竜也だ…!!』という感激で冒頭は頭がいっぱいになりそうでしたが、そこは抑えて他キャストの台詞や動きもしっかり見ました。

幼い頃に両親を亡くしたハリーが、手探り状態で良き父になろうと葛藤していくさまをとても生々しく演じられていたと思います。
子供のことは心配だし愛しているけれど、思春期ゆえ何を考えているのかわからない、どう接することが一番いいのかわからない、いろいろ試すけれど見えてこない、しかも売り言葉に買い言葉で余計なこと言っちゃう…
そんなやきもきした気持ち、おそらく自分に対してもイライラしている気持ち、そういったことが存分に感じられました。
ホグワーツ時代の出来事や、ずっと抱えてきた寂しさ・孤独感が見えるとても人間らしいハリーでした。
息子との接し方についてジニーからアドバイスされ実践してみるものの、声の大きさと物言いで完全に空回りして周りが「??」となっていたり、「実はパパにも怖いものがあるんだ」とアルバスに話す時も「鳩だ。鳩が怖い(藤原竜也トーンの早口)」と言い出したりして、んも〜〜〜ハリー!頑張ってハリー!!!って応援したくなるような可愛さも。(心の中でうちわとペンライト振った)
そしてやっぱりいろいろと感じるものがあったからこそ、石丸ポッター・向井ポッターも見たくなりました。

特に印象的だったシーンはアルバスがブランケットを使い、ハリーとジニーにメッセージを送ったことに2人が気付いたところ。
「なんっっって賢い子なんだ!!!」と体が跳ねるような全身の動きで、息子の冴えた行動に対する驚きを爆発させていたんですよね。
感情によって体が動く、計算ではない(と思う)その動きがやはり好きだなぁと思ったのでした。
あとねぇ、声が好きです。


■舞台ならではのアレ

舞台作品を見る上で、好きなもの。
それは瞬間で生まれるクスッと笑ってしまうセリフやシーンです。
ハリーポッターは全体を通してみるとシリアスな作品ですが、そういった笑えるシーンが思ったよりも多く存在していました。
その中心にいるのはロンとスコーピウス。
ロンはもう、ロンです。あのまま!
調子がいいけどちょっとびびりなところもあって、でもハーマイオニーのことになるととんでもなく一生懸命。
ドラコに対して「僕のハーマイオニーになにするんだ!!!!!!」感が見て取れるシーンもありました。
少し調子に乗ってハーマイオニーに詰められてシュンとするところも、お馴染みの夫婦漫才のよう。
スコーピウスはドラコとはまるで違う性格。オタク気質でよく喋る、優しい男の子。
途中、抱えてきた不安や不満を爆発させるシーンがありますが、基本的にはちょっとしたセリフや動作で観客を度々笑わせてくれる、作品全体のテンションを掴んで引っ張るような役どころでした。
周りが見えなくなりがちなアルバスとてんやわんやの大騒ぎをしたり、時には喧嘩したり、けれどどの行動からも親友のアルバスを想う気持ちが現れていました。
そして笑わせてくれるのはこのふたりだけではなく、ハリーやドラコにもそういったシーンが。
ドラコも悩めるパパになって、一生懸命さが滲み出ていて…ちょっとほっこり…


■アンサンブルキャストの緻密な動き

ハリー・ポッターに限らず、舞台作品を見れば見るほどアンサンブルキャストの偉大さに驚かされます。
シーン転換の小道具を運んだり、階段のセットを動かしたり、ダンスで表現したりとひっきりなしに舞台上を彩っていました。
階段のセットはふたつあり、それを合わせたり離したりして魔法省内やホグワーツ内を表現します。
アルバスとスコーピウスのすれ違いの日々はその階段を使って表現されていて、くるくるくるくる動かしながらくっついて離れてを繰り返し、その間もキャストがタイミングを合わせて上り下りしているので、まるで映画に出てきたあの動く階段を見ているかのようで。
ディメンターは映画のあのままの姿で飛び回って客席にも迫ります。独特なふわふわとした布の動きもそのまま。
一歩間違えば大事故になりそうなほど、とにかく緻密に動いているアンサンブルキャストのみなさん、圧倒されっぱなしでした。
大きな怪我などなく駆け抜けられますようにと全力でお祈りしています。


■名前を呼んではいけない”あの人”

“あの人”出てきたよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!
やはり場の空気がヒュッと凍りつくものがありますね。
キャラクターとして作りあげられてきたものがいかに強大であるかを実感します。
出てきただけでも怖いのに、まさかの、、、客降り、、、、、
えぇ、嘘でしょ、降りるの、、えっ待って、降りるの!?!?!?!?とヒヤヒヤしていました。
そして続くシーンでは、ハリーたちを見ながら観客は涙です…。
あの出来事をハリー以外のみんなが見届けたことにも、きっと大きな意味があったでしょうね…。


■というわけで、是非おすすめしたい

チケット料金は、正直に申し上げると高額です。
しかしそのお金と時間は無駄にはならないと断言できます。
ロングラン公演のため、体調不良や怪我などで止むを得ず当日にキャストが変更になることもありますが、ダブルキャストはもちろんカバーキャストもいらっしゃるのでその時その時でしか感じることのできないお芝居を堪能できることと思います。
出演者のTwitterを見ていると結束力と熱量が半端ないですし、世界各国で公演中のキャストコメントなども見ると、いつの日もこの作品が世界中で動き続けていることを感じ取れてちょっと感動すら覚えます。
少しでも気になる方、映画見たよという方、足を運んで損はないと思いますのでぜひ!

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