ちしまのにわ

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2024.12.22 Sun

FISH TANKer’s ONLY 2024

1年前のわたしへ。


—『常に最新作が最高傑作』のように言われてきたBUCK-TICKなので新しいものに触れられない辛さはあるけど(ここは正直どうなるか分からないです)
安心しろ、とんでもなくかっこいいアルバムが出るぞ。


—全然早くなくていいです、無理はしてほしくないです、
けれどまた4人が、ステージ上で楽しそうに演奏してわちゃわちゃしている様子を見られたら嬉しいなと、いちファンは願っています。

喜べ、またステージ上で楽しそうにしている姿が見られるぞ。



12月15日、BUCK-TICKのファンクラブ会員限定ライブ『FISH TANKer’s ONLY 2024』FINAL公演に行ってまいりました〜〜!!!
昨年、フロントマンである櫻井敦司さんを失ったBUCK-TICKはメジャーデビュー記念日である9月21日に本格的な再始動を発表し、11月20日にシングル「雷神 風神 – レゾナンス」を発売、12月4日にはアルバム「スブロサ SUBROSA」を発売されました〜〜!!
1年前の武道館公演「バクチク現象」でアニイは「来年BUCK-TICKは新曲のレコーディングに入ります」と話し、今井さんは「アルバム作ります」と話されていました。
そしてそれが現実となりました。


4人となったBUCK-TICKでの音楽をまずはファンクラブ会員に向けて届けたいという意図があり今回のFCツアーとなったようです。
私がファンになった頃には”アルバム発売後にホールツアー開催、その後ライブハウスでのスタンディングツアー”という流れができていたので、アルバム発売後即FCツアー開催は異例中の異例でした。


■アルバム発売前の大イベント

ここで、話を発売前に戻しますと。
実はアルバムの先行試聴会が、予約者の中から抽選招待されるイベントとして開催されていました。
驚いたことにその試聴会(東京会場)に当選しまして、11月28日に参加してきたのです…!
ちなみに、聞き間違いでなければ当選者数は284人でした。(私の整理番号は282番で、「○番までの方〜」と呼び出しされてた最後が「284番までの方〜」でした)


公開されていたトラックリストがまさかの17曲というトンデモボリューム、曲のタイトルには様々な温度感のワードが並び、「今井さんがめちゃくちゃ自由に飛び回ってるぞ」と一瞬で理解できるものでした。
とりわけ話題になったタイトルであり、私としても一番の衝撃タイトルは『冥王星で死ね』


曲のタイトルに『死ね』!?!?
冥王星!?!?なるほどわからん!!!


といった感じで、何が始まるのだとワクワクしてしまいました。(BUCK-TICKは毎回この感じがたまらないのです)
他にも
『百万那由多ノ塵SCUM』→なんだなんだどんなカオスがはじまるんだ
『絶望という名の君へ』→どうしてもあっちゃんを想像してしまうタイトル
『paradeno mori』→『memento mori』思い出すね!?なにかあるんですか!?
などなど、気になるタイトルがいっっっばいです。


ワクワクと少しの緊張や不安を抱えながら試聴会に参加しまして、まず『百万那由多ノ塵SCUM』でびっっっくりして、2曲目の『スブロサ SUBROSA』で即\すきでーす/となり、これまで数々のアルバムを最初に聞いてきたときと同じように驚き、そして凄すぎて笑っちゃうという、いろいろな感想が忙しなく脳内を駆け巡ったのでした。


■ツアーがはじまったよ!

アルバム発売から間髪入れず、12月6日の名古屋会場からツアーがスタートしました。
最初を名古屋にしてくれたこと、ファンのみんなが嬉しかったと思います。
というのも、2023年の異空ツアーで6月に予定されていた名古屋公演、これが台風の影響で延期になり9月に振替となりました。
ところが、8月末にあっちゃんが新型コロナに罹ってしまい再度の延期、振替公演は2024年1月に。
その公演より前、10月にスタンディングツアーで名古屋公演が予定されていたものの、それを迎えることなくあっちゃんは旅立ってしまわれたので、、名古屋公演ができていないままだったのです。
なので、名古屋からのツアースタートにBUCK-TICKの優しさを感じ、とても嬉しく思いました。


名古屋、大阪、高崎、東京と続くツアー、私はFINALでしたのでそれまでにいくつか流れてくるレポツイートを読んでいたのですが、そのなかで非常に気になるワードを見つけました。


「英彦が棒でなにかをしばき倒している」


………なんて?


これぞ、これぞBUCK-TICKです。
ファンがどれだけ予想しても全く意味をなさないのがBUCK-TICKです。
その言葉の意味を知るときをとてもとても楽しみにしていました。


■開演前

スタンディングとか…2023年の1月以来だな…?と久しぶりすぎたため体力的な心配も少しありましたが特にトラブルもなく、物販でも欲しいものはすべて買えましたし、ロッカーも確保できたので安心して会場入りすることができました。
スタンディングはねぇ…ロッカー確保超大事だからねぇ…冬だから上着もあるしねぇ…


入場するとフロアは満遍なく埋まり始めていました。
前から順に、というよりみなさん思い思いの場所へ散っていくので行こうと思えば前方も行けます。
今回は1段あがった柵の3〜4列目くらい、ほどよく視界が開けていて、少し頭を動かせばメンバー全員が見えるような場所にしました。
先行シングル「雷神 風神 – レゾナンス」のMVがモニターで流されています。
少し緊張しながら開演を待っていた方が多かったのではと思いますが、各々談笑していたり、いつもの開演前の雰囲気に近かったかな?
ステージには真ん中(あっちゃんの立ち位置)に何やらドンと機材が置いてあります。
今井さんとヒデのマイクはガイコツマイクで、パッと見DJブースかなみたいな雰囲気でした。


■公演

OP SEが鳴り、メンバーが姿を見せると大きな歓声と拍手、メンバーを呼ぶコール。
この時からすでに「盛り上げんぞ!!!!」と「期待!!!」の雰囲気がフロアにはありました。
拍手はいつも大きいですが、その拍手のなかにエールと期待がたっぷり感じられる、そんなスタートでした。


『百万那由多ノ塵SCUM』で始まり、次いで『スブロサ SUBROSA』です。
そのときです。
ヒデが両手になにやらしっかりしたバチのようなものを手にしていることに気付きました。


始まった!!!レポツイートで読んだ「英彦が棒でなにかをしばき倒している」が始まった!!!!!


少しリズムに乗りながら機材(のなにか)をその棒で叩いている!!!
曲中にある「カーン!」と強く抜けていく音をその場で!!出している!!!


当然ですが、リズムに正確に「カーン!」「カンカーン!!」と何かを叩いて音を出していて、今まで見たことのない光景に驚きつつなぜかツボってしまってしばらく大変でした。
そしてこの曲にはギターの音が入っていないので、今井さんはハンドマイクを持ってステージ上を練り歩いて歌います。
いつものあっちゃんの立ち位置である、アニイのゆうたさんの間(ドセン)に立って歌ったりもします。
BUCK-TICKで見たことのない光景が広がっていて、「うわぁなにあれすごいかっこいい」(全部ひらがな)状態でした。


『paradeno mori』は歌詞の内容的にあっちゃんのことを想いながら楽しく歌える曲といった感じで、♪Hey you〜♪とヒデがフロアに向かって指を差し歌い始めるとそれに合わせてお客さんもステージに向かって指を差す、のようなやりとりもありました。
リズムもクラップも楽しい曲で、これは何度でも見たい!


今回はリズムが際立つ曲が多いためドラムとベースの音がより一層感じられ、なかでも『冥王星で死ね』のドラムには目を丸くしました。
インタビューで「大変だった」とアニイが語っていたかと思いますが、確かにずっと忙しく、リズムも細かく複雑そう…あれをリズムを崩さずに叩き切るなんて、アニイの凄さを改めて思い知りました…ほんとうに職人ドラマーだ……


その後も最新のアルバム曲を中心に構成されていましたが、なかには既存曲もあり。
・ICONOCLASM
・薔薇色の日々
・SANE -type II-
・狂気のデッドヒート
・PINOA ICCHIO – 躍るアトム –
・Les Enfants Terribles
・Villain

こう書き出してみると、結構多かったですね!
今井さんが歌ったりヒデが歌ったりと曲によってさまざま。
しかし『SANE -type II-』に関しては、あっちゃんパートは歌わず流さずでそのまま=歌が一切乗っていない状態でした。
すると不思議なもんで、これまでファンはたくさん聞いてきたものですから、各々の頭の中で自然とあっちゃんが歌い始めるんですよね。
私の脳内でもあっちゃんが歌ってました。
凄く不思議な感覚で、そこに少し”5人”を感じることができたので、ああいうのもいいなと思います。
既存曲のやりかたをどれかひとつに定めない、というのも彼ららしいなと。
しかもそれをファンもそのまま受け止めるので。
(もちろん、そこに不在を感じて辛くなってしまったひとも居たと思います)


■MC・ハケぎわ

あっちゃんは喉のこともあり、ステージ上でも口数は決して多くありませんでした。
けれど「みなさん、どうか幸せに」と言ってくれたり、「スタッフのみなさん、感謝します」と口にしたり、素っ頓狂なことを言ってお客さんをざわつかせたりすることはよくありました。
今回、今井さんがメインでお話ししてくれていたのですが、
今井さん「元気だった?」
フロア「げんきー!!」
今井さん「おれも」

といったように少し砕けた、というか自然な感じでちょこちょこ。
曲のキーワードになる言葉をいくつか呟いて曲がスタートすることもありました。


FC限定公演恒例、フロアをバックに記念撮影のターンではヒデが「FISH TANKer’sのみなさん。みんなでワーッて手をあげちゃうと見えなくなっちゃうから、これくらい?これくらい?(ピースした手を徐々に下ろしながら)でお願いします」と言ってくれたり。
ライブ終了の際にはメンバーがひとりずつちょこっと話してはけていくという、なんだかとてもアットホームな感じでした。
ゆうたさんはアルバムリリースインタビューで少し不安そうにされていましたが、名古屋のレポなどで読んだ通り、「感謝してます!たくさん元気もらってます!」ととても嬉しそうで…
あっちゃんが旅立ったあとメンバーの中でも特に落ち込んでいたそうなので、そんなニコニコなゆうたさんを見ることができてこちらもとても嬉しかったです。ずっと守りたいその笑顔……


■BUCK-TICKは凄まじいバンドだった

というわけで、開演前は少しソワソワとしてしまいましたが、ほんっっっとうに、来てよかったと心の底から思いました。
会場を出てイヤホンつけて、まず最初に30th記念お台場野外公演時の『薔薇色の日々』を聞いたとき、なんだかどうしようもなく泣けてきまして。
それはあっちゃん不在の悲しみからくるものではなく、新しい音楽があって、これだけ素晴らしいライブができて、一緒に楽しむお客さんがいて、こういう表現でいいのか少々考えてしまうところではありますが、「BUCK-TICKはもう大丈夫だね」と思えたのです。
もちろんあっちゃんが居てくれた方がいいに決まってますし、まだまだ寂しさ・悲しさ・悔しさが目の前を覆うことがありますが、コレが現実だから。
全然”だいじょばない”けれど、前を向くには充分な光景だったかなと思ったのです。
アニイがインタビューで話していたように、あっちゃんは「俺がいなくなったから辞めるだなんてふざけるな」と言いそうだなと思っていました。
だから今回のツアーの光景を見たらあっちゃんはきっとわらってくれるんじゃないかな。
改めて、このバンドの凄さ・強さを思い知りました。


あれからまだたったの1年。
1年前は全く想像もできなかった光景でした。
「この1年、みんなに支えられました。ありがとう」と今井さんは話してくれましたが、止まることなく続けてくれる(好きにやってくれる)ことに、ファンはただただ感謝なのです。


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